記号論

記号論への招待 (岩波新書)
[哲学]
線を引きながら読んだら、気に入った文言がたくさんあって、線だらけになってしまった。
キーワード
言語創造、ことばの監獄、統辞論、意味論、実用論、解読、解釈、コード、コンテクスト、記号表現、記号内容、差異、文節、意味、指示物、表示義、共示義、テクスト・・・・

ひとたび身につけた意味づけの体系 --- それが習慣として確立すると、それは逆にそれを身につけた人を捕らえて放さない「牢獄」にもなる。<略> --- そういう世界が生じてくる。
しかし機械とは違って、人間は --- 一方では秩序を導入しなければ気がすまない存在であると同じように --- 完全に秩序づけらた閉じた世界には長くは安住していられない存在である。遅かれ早かれ、創造への営みに人間は駆りたてられる。

まず,「コード」依存の場合は、受信者は「コード」に従って「解読」すればそれで十分である。それに対し、「コンテキスト」依存の場合は、受信者は「コンテキスト」を参照しながら、発信者がメッセージ作成の際に想定していたと思われる「コード」を逆算的に推定していることになる。受信者は単に既成の「コード」を参照して「解読」するという受動的な立場にあるのではなくて、主体的に推論するという営みを行なう。この営みを「解釈」と呼ぶことにするならば、「コード依存型」が「解読」によって特徴づけられるのに対して、「コンテキスト依存型」では「解釈」ということがその特徴になる。
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 さらに、それだけではない。ある種のメッセージの場合は、「受信者」は自らの主体的な解釈行為を通じて「発信者」の意図を超えた意味をメッセージに読みとることもありゆる。