ヘンリーミンツバーグ

どうしてもミンツバーグの書したものを読みたくなって過去の雑誌を購入
http://www.dhbr.net/magazine/backnumber/200301.html

いやーこれはいいですは!この本は!合理主義に偏った世界観にはまりがちな私にとって、とても刺激的な一冊です。

ミンツバーグの研究のアプローチ方法は、机上による論理の緻密な組み立てより、実践者の行動から論理を導きだすことに重点を置いているのがいい。具体的な例として、働く人〔マネジャ、工芸、オーケストラの指揮者〕を1日中観察したり、インタビューを行ったりする手法を使っている。また、時々、人をはっとさせるメタファーを使うこともある。

一番印象に残ったのは、今まで「絶対君主」、「コマンド命令型リーダー」の象徴として幾度も例にあげられた「オーケストラの指揮者」が、実際に観察やインタビューを行うことで、実はそうではなかったと導き出す論文。
この論文で描かれたオーケストラの指揮者像は支援型リーダーで、ファシリテーターに近い存在が浮かび上がっていた。
幾度も上げられる「オーケストラの指揮者」の「英雄命令型」に私は何の疑いもなく受け入れていたが、実は違うということに驚かされてしまった。

また、戦略について工芸から学ぶという一風変わった論文も必見。計画を実行する人と実践する人の分離〔計画と実行の分離〕の問題点を工芸の視点からうまく表現している。


多分ミンツバーグは、アジャイラーの中のアジャイラーだな。
いや、びよーんど、アジャイラーかも。