読書 歴史街道

実家に置いてある雑誌から、芭蕉の一句。

おもしろうてやがてかなしき鵜舟哉

雑誌によると「かなし」には、複雑な意味が含まれる。
本来は、「かなし」とは「どうしようもないほど切なく、いとしい」の意味があり、「身にしみておもしろい、強く心をひかれる」「見事だ」と通ずる。
が、強くひかれるからこそ「痛切」「辛苦」で、やがて一般に知られる「悲哀」をあらわす言葉になったそうだ。「かなし」は「おもしろい」の反対ではなく、「おもしろい」を内包している。

「おもしろい」が深化すると「かなし」に変わる。「おもしろうてやがてかなしき」だと。


「深化」して「かなし」まで、いけるかな?