対立のデザイン

開発でよくありがちな構図は、要求側と開発側の対立。
要求側、「顧客が必要だって、言っている。次のリリースで入れてくれ」
開発側、「そんなに出来ないよ.はずしてくれ」


対立が建設的でないものになると互いに相手側に問題があると安易に結論付けて、デットロック状態に陥る.
開発側「要求側は開発の現場を理解していない。既にあっぷあっぷなのに更に詰め込もうとしているなんて・・・」
要求側「開発側は顧客を理解していない.これを入れなきゃ顧客が逃げる.プロジェクトが成立しないんだ.なんでもっと速くできないんだ・・・」


何度か見てきた構図.私も何度か陥った構図.
どっちも正解なのにどっちも間違っている.


今日は協調の重要性を強調せずに対立の重要性を強調する.


安易な妥協をせず、【建設的】対立のフィールドを創るスキルは重要だと思う.
以下に、【建設的な意見対立】のフィールドを生み出すのに必要と思われるスキルを自分なりにまとめてみる.

  • 自分の今の感情や仮説を適切に理解するセルフモニタリングスキルがないと話にならない.だが、これが難しい.
  • 相手の話をよく聴いて、理解する(同意しなくてもよい)【傾聴力】は必須.だが、セルフモニタリングスキルがないとなかなか実践は難しい.
  • 自分の今持っている仮説を【呈示】して、理解される(同意されなくてもよい)プレゼン力も必須.だが、これまた難しい.
  • 【傾聴】と【呈示】を繰り返し、自分の習慣や考えを変えるか変えないかの葛藤を直視するタフさは必須.だが、普通は心が折れる


学生時代にこの能力の重要性になんとなく気づいてから、すこしずつUPしていると感じている.
しかし残念ながら、実用レベルまではまだ達していない.

【ダイアログ】というのは、とてつもなくエネルギーを必要とする作業.
ファシリテータはどうやって【ダイアログ】を創っているのか未だ私にはわからない.

フィールドブック 学習する組織「5つの能力」 企業変革をチームで進める最強ツール

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