空間

空間―機能から様相へ (岩波現代文庫)

空間―機能から様相へ (岩波現代文庫)


好きな本屋でタイトルに惹かれて購入.


「機能」という言葉は、人と空間の身体的/物理的な相互作用に注目した機械論のメタファに強く影響を受けている.様相は、その身体的な経験から導かれる意識へと関心を深めている.
ここら辺は、ソフトウェアのGUIデザイン分野での、ユーザビリティ=>ユーザ体験への流れと似たようなものを感じる.
(ユースケース => ユーザストーリと似てると言っていいのかは、クエスチョン)


「快適な暮らしをデザインすること」は、建築家にとって重要なテーマの一つであるが、
それを語るために、工学だけでなく、現地の集落調査、哲学、仏教学までも活用するところは、この分野の歴史の長さ、奥行きの深さを感じる.



本書で一番ひかれたのは、様相ではなく、<非ず非ず>の否定の美.
「<部分と全体の論理>についての...」、「<非ず非ず>と日本の空間的伝統」の章は、読んでいて、痺れた.notには、もの静かでありながら、大胆に活き活きとした展開を生み出す力が溢れているんだ、ということに驚いた.