知的資産を企業内に閉じて所有しない時代が既にやってきている.

ソフトウェア開発の際には、プロジェクト/企業内に閉じた知的資産だけではなく、人々が社内外に情報網を巡らし、社内外にある知的資産を素早く発見、現場活用し、その成果として、ユーザ価値に結びつけることが求められている。

特にオープンソース系の技術領域では顕著である。オープンソース系の知的資産は、オープンソースプロダクトとオープンソースプロダクトの使い方(あるいは修正やパッチ送付の方法)を指す。
これらは、企業独自に保有することはなく、インターネット経由でライブラリ、フレームワーク、半完成品のアプリケーションを取得。使い方やはまりポイントの情報を取得。
その周辺で発生しているインフォーマルなコニュニティの勉強会に参加し、できる人から開発や運用ノウハウ獲得する(あるいは自ら公開する)ということが起きている。


ソフトウェア開発現場の改善系の領域でも、似たようなことが起きている.


今のところ、DDDのユビキタスランゲージのようなテクノロジーとビジネスの境界で知的資産が生まれるコミュニティは、活発に出現していないと思われる。が、そのうち現れるであろうと予言。
少なくとも、他業界でのプロダクト開発では、アーリーアダプタータイプのユーザがプロダクト開発に積極参加し、優れたプロダクトを生み出すという現象は既に起きている。ユーザがプロダクト/サービス開発に積極参加という、この流れは、日本の受託開発の分野でもやってくるはずだ。そしてそれを支援するようなコミュニティが生まれてもおかしくはない。


競争の源泉の知的資産を企業内に閉じて保有するビジネスモデルが成り立たないという、ちょっとオモシロい社会がやってきている。


では、ソフトウェア開発の企業は具体的にどのようにして知的資産を運用するのであろうか?
いくつかは、企業内で閉じて保有しても不良資産にしかならないのは確かだが、すべてを外からという訳には行かないはずだ。私は、解をもってないよw。なので、ここからは宿題。

ただ言える事は、知的資産のありかとして、顧客、自社、他社の他に「コニュニティ」が加わっていること。競争の源泉とコネククションを持つため、企業はどうコミュニティと絆を結ぶかのCommunity Relationshipは、企業の重要な意思決定項目の1つになりつつある。
企業とコミュニティの価値感の相違を、非生産的な衝突としてではなく、新しい何かを生み出す源泉のカオスの縁として、具体的に描く事できる企業が次の時代を担って行くであろう。

今日は、ちょっと知的資産のマクロのマネジメントの視点をソフトウェア開発のコンテキストと織り交ぜて、自由気ままに書いてみた。
かなり偏った見解が混ざっているので、テキトウに差し引いて読んでね。