再考ーパタンランゲージ

最近、周りで「いきいき」が妙に盛り上がっている。「いきいき」は元々、時を超えた建設の道の中で「無名の質」の1つとして出てくる.時を超えた建設の道はアレグザンダーでのパタン活動の源流になる。


アレグザンダーのパタンランゲージの活動の背景には、1.20世紀初期に合理化の波が建築分野にもやってきた。2.合理的、効率的に家(街)をつくることが良いという風潮で、家を建てる人と家に住む人は分断され、次々と建築物ができる.3.結果、住む人にとって、無機質で無味乾燥な建築・街ができる.4.以前に当然としてあった、住まう(=日常をいきいきと過ごす)という意味が失われつつある。これでいいのか?というアンチテーゼが含まれている。

この住むことの意味が失われている問題に対して、パタンランゲージを使って、建てる人と住む人と家の関係のあり方について、提案をしている点がキーになる.


ソフトウェア業界で、アレグザンダーの考えに似たものは、デザインパターンほかに、別の形で見つけることができる。

XP 2nd の23章は、直接、時を超えた建設の道を扱っているのでわかりやすい。Wiki時を超えた建設の道を受け継いでいる。誰でもページの編集に参加できること、ページが広がりつつ、リンクでつながっている構図は、とても興味深い。詳細はこちらが参考になる。http://www.nicovideo.jp/watch/sm1805312

DDDのユビキタス言語やBDDは、ソフトウェアの作り手と使い手の共通の語彙を目指している。使い手のソフトウェア開発の参加障壁、作り手のビジネスの参加障壁を低くしようとしていると、解釈もできる。

Behavior Driven Development (or BDD) is an Agile software development technique that encourages collaboration between developers, QA and non-technical or business participants in a software project.

http://en.wikipedia.org/wiki/Behavior_driven_development

ファイリテーション一派のワールドカフェは、時を超えた建設の道の中で「無名の質」を満たした「会話」をどのようにつくりだすかに関心を寄せている。私は、良い会話の質感を土台に、よいユビキタス言語が生まれ、よいBDD,よいDDDができると信じているため、この領域に関心を寄せている。

勉強会は、現在、技術領域を中心に盛んである。その中から、別の動きも感じる。イケテルRails勉強会で街の電気屋のおじさんがRailsを1日勉強して持ち帰る話や、toRubyのhttp://www.nicovideo.jp/watch/sm3820685の話は、次の時代の作り手と使い手の新しい関係のあり方が生まれる期待感が持てる。もしかしたら、Rubyそのものが、ユビキタス言語の1種として機能する時代が、勉強会がつくりだすかもしれない。

作り手と使い手の関係性は、ここ数年の私の関心領域。
使い手がいきいき&作り手がいきいきするフィールド展開ができているかが、私にとっての、いきいき(Agile)のキーポイントとなる。
http://eow.alc.co.jp/agile/UTF-8/