成長ループとその成長を制限するバランスループ

フィールドブック 学習する組織「10の変革課題」―なぜ全社改革は失敗するのか?

フィールドブック 学習する組織「10の変革課題」―なぜ全社改革は失敗するのか?

この本、システム原型だと「成長の限界」を軸に描かれている。学習、チェンジマネジメント、改革、改善をしていこうとする時に、よく発生する課題をシステム思考を使って整理し、どんな思い込み(メンタルモデル)に注意すべきか、全体のつながりとしての背景やバランスループ(課題)を理解し解決の糸口となるレバレッジポイントがどこにあるのか、バランスループ(課題)に対処していく典型的なワークショップ案にどのようなものがあるかが解説されている。

読み返したのは、はじめにから、課題1: 時間がない「こんなことをしている時間はない!」, 課題2: 孤立無援「誰も助けてくれない!」, 課題3:意味がない「こんなものは意味がない!」, 課題4: 言行不一致「言っていることとやっていることが違う!」, 課題:5 恐れと不安 「こんなものは○○○だ! 」 課題:6 評価と測定 「効果がない! 」 まで。

繰り返し読んでいたつもりだが、前回までは身近に感じていなかった。今回ようやく自分の身にかなり近い課題だと実感がわいてきた。どの課題も過去に(今も)何度見てきた「あるある」ネタになっている。

「時間がない」は、かならずは聞く言葉なのでヒントがある。押し売りで始まる改革は大抵「意味がない」に打ち当たる。年を食って上の立場、指導する立場になる人であれば、「言行不一致」には注意されたし。恐怖政治、コマンドコントロールからの脱却(メンタルモデルの克服)はなかなか難しいテーマ。「恐れと不安」にヒントがある。また通常新しいことにチャレンジするのであれば「恐れと不安」がつきものだ。サムライの「これは魔女狩りではない」の言葉の裏が見えてくる。 活動の周りへの説明に、評価と測定の課題は必ず付いてきて避けては通れない。まずは「評価」の言葉の意味の理解から。(報告よりも)自分たちの学習に使える楽しい「評価」にしてしていくことが肝要。