適応型ソフトウェア開発

適応型ソフトウエア開発-変化とスピードに挑むプロジェクトマネージメント (Object Oriented Selection)

適応型ソフトウエア開発-変化とスピードに挑むプロジェクトマネージメント (Object Oriented Selection)

読み返している.著者のジム・ハイスミスは登山をアナロジーに使うところなどストイックな面がある.
コラボレーションの章では、発散領域と収束領域の狭間に「苦悩の領域」というものがあることを説明している.
ここに、ビリッとしびれた.

この期間(発散)、メンバーは、互いを理解するよりも自分の意見を売り込むことにやっきになっている。しかし苦悩の領域では、それぞれが、他人の考えの裏にあるものを理解して、理由や仮定条件やメンタルモデルを見出そうとする。考えを述べることは比較的易しい。考えの根本的な理由を明確に表現することは、それよりも困難である。他人の考えの根本的な理由を理解し、自分の意見と調和させることは、さらに難しく、苦悩の原因になる。発散、そして苦悩から収束への移行は、発表から議論、そして対話への移行と同時に進行する。-P124


複雑系、自己組織化、学習する組織などの要素を基盤にして、ソフトウェア開発マネジメントについて説明しているこの本.
幾つかのプロジェクトを経験してから読むと改めて発見がある。


How To本を探しているなら、この本は避けたほうが良い。今すぐ何をすればいいのかは示しくれない。
「和気あいあい」「優しい」「品が良い」「安定」が好きな人は、この本は避けたほうが良い。ある意味、熱すぎて火傷する可能性がある

この本の感想を、無理矢理に一言で表すなら「ストイック」である。
この本は、やっぱ、めっちゃすごいと思う。