学習フィードバックと防衛的反応

学習フィードバックを阻害する要因でやっかいなのは、自身の「防衛的反応」だ。

通常、他人からの予期しない指摘は、「どきっ」とする。自分の考えや大切にしていることと大きくが差異がある場合、もっともらしい意見を言って自分を守ったり、怒ったり、声を大きくして威嚇したりする。そっけなく無関心を装ったり、表ではウンウンとうなずき裏では聞き流すこともある。答えづらい問い返しでフィードバックを消し去ってしまう行動をとってしまうこともあるだろう。

防衛的反応は、自分の身を守る生命体の基本行動なのだが、学習フィードバックに関しては、その反応が学習の阻害要因になりうるので注意が必要である。

自身の身体的反応(呼吸、心拍数、顔の熱さ、声のトーン)や、自身の内なる声や発言にどれだけ自覚できるかが、学習フィードバックに真摯に向き合えるかのポイントとなる。かなりの訓練を要すると思われる。デザイン系の観察技法/ヒアリング技法や哲学のエポケーなどがヒントになる。

  • 自身の考えや大切にしていることをいったん「保留」して、話を聴く準備をする。
  • 他者の考えや大切していることを理解することに努めること。(自分の考えを差し込む質問はどんどん消去して、ただひたすら、他者の考えや大切していることを理解する質問に注力するのがコツ)
  • その後で、自身の「考え」 や 「大切にしていること」や「行動習慣」 を見直す。

ステップにすれば、簡単なのだが、実践はなかなか難しいものである。